ビジネスで知りたいことは因果関係
豊田裕貴著『現場(ビジネス)で使える統計学』阪急コミュニケーションズ(2006.10)で興味深かったことをまとめておく。
記述統計は与えられたデータが全体で、無名数を使って比較する。
推測統計は標本データから母集団を推計するもので、不偏分散(N-1で割る)を用いる。
標準誤差はデータの精度を表し、不偏標準偏差(データのばらつき)を√Nで割る。
ビジネスに必要な仮説のパターンは、原因(A->B)と結果(C->D)をそれぞれ文章にして以下の4つのパターンに分けられる。
1.(状態−>状態):AがBだと、CはDだ。
2.(状態−>変化):AがBだと、CはDになる。
3.(変化−>状態):AがBになると、CはDだ。
4.(変化−>変化):AがBになると、CはDになる。
「女性ほど、ブランドPが好き」
性別(A=変数名)が女性(B=値)だと、(男性に比べ)
好むブランド(C=変数名)は(ブランドQよりも)ブランドP(D=値)だ。
BやDの範囲を決め、もれなくダブりなく候補の値を用意すると、調査票の質問項目ができる。
このビジネスで知りたい因果関係については、浅川達人著『ひとりで学べる社会統計学』ミネルヴァ書房(2011)でも解説があった。
原因は結果と無関係に変化する、つまり独立なので、「独立変数(説明変数)」それに対して結果は原因に従属するので「従属変数(被説明変数)」または「目的変数」と呼ばれる。因果関係設立のための条件は3つ。
1.独立変数が時間的に先行する
2.独立変数が変化すると、従属変数も変化する、「共変(動)」関係が強い
3.独立変数と従属変数以外のすべての変数は一定
そして独立変数と従属変数の関連の普遍性と整合性(妥当性)が認められなければならない。