2セルの比率の差の検定は3種類

相も変わらず基本書、改訂版が出ていたので読みました。
杉山明子編著、朝倉真粧美ほか著『社会調査の基本』朝倉書店(2011.3)
意識の質問は実態を問う場合よりも、どちらともいえない、わからないといった回答が多くなることが丁寧に説明されている。impersonalなgeneralな聞き方と、個人に対する質問でも結果の出方が異なるのは、授業でも出てきた話。

無作為抽出が保証されていて初めて、母集団を推計すること、検定が可能になるという立場で、比率の検定を3種類。

1.互いに従属なパーセントの差の検定
SAの選択肢同士で、片方のパーセントの増減が残りの一方のパーセントに影響を与える場合
賛否を問う質問の、賛成と反対の差を検定する場合
サンプル数n、サンプルの2つのパーセントをp,qとしたとき、
p-q>=20√(p+q)/n

2.互いに独立なパーセントの差の検定

同一サンプルの場合
第1問と第2問の賛成率の差
MA質問で選択肢同士のパーセントの差
放送時間の異なる番組Aと番組Bの視聴率の差

異なるサンプルの場合(男女など)普段の統計表のt検定はこれ。
番組Aの関東地区と関西地区の視聴率の差
同一番組で昨年と今年の視聴率の差
2つの比率の加重平均の分散を出して、その標準誤差がどこに位置するかを計算

3.一部従属なパーセントの場合(全体とその一部をなしている特定のセルの差)
クロス表である層(たとえば若者)と全体のパーセントの差
式はP145を参照のこと。